自分だけのアンテナを作ろう!

  Make  High Performance Antennas

 

アンテナは、無線がどれだけ楽しくなるのかを決める大きな要素。よく聞こえてよく飛ぶアンテナは、交信可能な範囲と無線の楽しさを確実に広げてくれます。このページでは、理論にまったくこだわらず、テキトーに作ってみたら上手くいったよ、という結果オーライなアンテナ作りを紹介しています。

 Good antennas make your ham life much happier !

 


「自称 高性能アンテナ」を目指して (一応の方針)

 

■ アンテナを評価する上で注意したいこと  What is good antenna?

 私が「こいつは抜群だ!」と評価したアンテナを、他の人は「全然大したことない!」と感じることもあります、その逆もあります。また、昔、自分で使ってみて抜群だ(と思い込んでいる)アンテナを復活させてみたら予想外にガッカリ・・・ということも起こります。

 これは、アンテナに対する評価は、使う人の経験や好み、ニーズなどの要素によって大きく変わってしまう、非常に不安定で曖昧なものだからです。結局のところ、良いアンテナ = 今の自分を満足させるアンテナ ではないでしょうか。ひとつ注意したいことは、バンドコンディションが良い時期はショボいアンテナでもそこそこ飛ぶ!ということです。ですから、コンデション低迷期に抜群に飛ぶアンテナは、本当に良いアンテナだと言えるでしょう。

 

"Good antenna" is the antenna which satisfies your current needs.

 

 

 

■ 一体どんなアンテナがよく飛び、よく聞こえるか?

 総合的には、八木アンテナがベストだと思います。私は、MMANAというフリーのシミュレーションソフトを愛用していますが、八木アンテナに限って言えば、作りっぱなしでも性能の再現性が非常に良好です。八木アンテナには、安くて丈夫、製作が簡単で性能が良いという大きなメリットがあります。

 ただ、個人的に思う「最高のアンテナ」は、よく調整された多エレメントデルタループです。同じエレメント数なら、送受信ともに八木の(体感的)性能を上回ります。21MHzの3エレ(7mH)や28MHzの4エレデルタループ(10mH)などは、八木アンテナの感覚で「なんだ、ただの3エレ、4エレか」と思って使い始めたら、その驚くほどの性能に自分が驚いたものでした。八木に比べると調整が面倒だったり、強風に弱いという短所はありますが、いつか、また作ってみたいものです。

 

■ S/N 比 (信号対雑音比)を重み

 飛びの悪さはパワーでカバーできますが、耳の悪さはどうにもなりません。特にSSBやCWなどのアナログ通信では、例え信号が弱くて、はっきり聞き取れるようにアンテナを設計することが大切です。これは、フロントゲインを上げて目的信号の受信強度を高めるとともに、余計な雑音などを受信しないように、指向性を鋭くすることに尽きます。こうすることで、目的信号の強度と雑音などの強

度の差が大きくなり、いわゆるS/N比が改善します。大事なのは信号強度(S)ではなく、了解度(R)です。RS25ではQSO困難ですが、RS51なら何も問題ありません。

 

 

 

■ 垂直面放射パターンについて

 これまでに使ってきたいくつかのアンテナについて、垂直面放射パターンと実際の使用感をまとめてみました。個人的な感想なので参考程度にしてください。

 

 

C社4エレ 15mH

前方70度以上の高角に、入力したエネルギーの半分近くを打ち上げています。高評価を得ている同社のデュオバンダー(14/21)やマルチバンダー(7/14/21)でも同様の結果です。どのモデルも、DPに比べれば抜群の送受信性能だと誰もが思うでしょう。4エレ以上の使用経験がなければ、長期にわたって満足できると思います。ただ、他のJA局がQSOしている相手が聞こえないということはあります。

 

自作6エレ 15mH

ブーム長は16.5m で、C社の6エレモノバンダーとほぼ同じです。入力エネルギーのほぼすべてが前方低めに集中しています。上の4エレに比べると、送受信ともに大きな差を感じます。関西地方並に西に飛び、東北地方並に東に飛ぶので地域差をあまり感じなくなります。明らかにパイルでのリターンが早まり、バンドのオープン時間も4エレに比べて前後15〜30分ほど長く感じます。

 

 

 

C社4エレ 18mH

4エレの地上高を3mアップ。送受信ともにわずかに改善した気がしますが、6エレには到底及びません。F/B比が良くなったり、サイドがより切れるようになったと感じます。相変わらず、他のJA局がQSOしているのに自分には聞こえないDX局がいます。

 

 

 

C社4エレ 20mH

15mHに比べると、特に送信時により飛ぶようになったと感じました。また、ビームがさらに切れるようになりました。しかし、送受信ともに15mHの6エレには及びません。何と言うか、受信時の弱い信号に対する耳の良さ、送信のパワフルさが足りない感じがします。

 

 

 

自作6エレ20mH

6エレも5mアップ。打ち上げ角が3.8度下がりましたが、パワフルだったメインローブがやせ細り、前方50度の方向に貴重なエネルギーを投げ捨て始めました。本業で成功して調子に乗り、副業に手を出した途端に本業が傾き始めたポンコツ社長の多角経営のよう。主戦力社員の離職が心配です。

 

 

 

自作5エレ 18mH

ブーム長14mの5エレです。電気的な特性は上の20mH6エレとほぼ同じです。体感差も実際には"ほとんど"分からないでしょう。特に「Sメーターが振るほど強い信号」であればほぼ同じです。

ですがっ!

「Sメーターが振らないほど弱い信号」に対しては明らかに違います。信号がより"太く"聞こえること、目的信号を鋭いビームの先端で捉える感触。

 

●「よく飛ぶアンテナ」とは

フロントゲイン (前方利得)

3次元空間(水平面と垂直面)における指向性が鋭いアンテナは受信性能だけでなく、飛びの良さも抜群です。実際の経験では、アンテナをシミュレーションする時に垂直面放射パターンのサイドローブをできるだけ小さくして、なるべくメインローブを太らせるように設計すると、実際の使用感がシミュレーション結果に近いものになると思います。

 左のグラフは、今までに自分で作った八木アンテナのエレメント数と利得による倍率(dBi)をイメージ化したものです。

グラフでは、3エレと4エレ、5エレと6エレの間で差が大きくなっていますが、これはエレメント数を増やしていった時の体感的な変化に近いと思います。実際の経験でも、4エレから5エレ、6エレから7エレに変更した時は苦労の割に得るものが小さく、3エレと4エレ、5エレと6エレの差は大きいと感じます。仮に、DPを6エレ八木(14dBd)に取り替えるとすると電力比で25倍になりますから、10W機が250W+DPと同じくらいのパワーアップになります。dBは対数関数のなので 0→7dB=5倍、7→14dB=20倍のように同じ7dB差でも値が大きくるほど倍率が急上昇します。このように、高利得アンテナの実効放射電力(ERP/EIRP)の増大による飛びの改善は、実際に体感できるほど非常に大きなものになります

 

● Radiation Pattern  (輻射パターン)

 左の写真は14MHzのフルサイズ6エレ(ブーム長16.5m)の放射パターンで、左下は5エレ(ブーム長13m)のものです。

実際に使った感じは、6エレは5エレに比べて送受信ともに抜群でした。特に弱い信号に対する了解度、同じ周波数でかぶり合う2信号の切り分けといった実践的な能力が明らかに違います。両者の電気的特性の違いは、フロントゲインがわずか2dB、F/B比は7dB弱です。F/B比が良いのは短いほうの5エレですが、受信が静かなのは明らかに6エレです。飛びも6エレのほうが良好で、特にやっと聞こえるような信号強度のDXからの応答率がだいぶ良くなります。「200Wあれば、聞こえさえすれば必ず届く」と言えます。市販のアンテナがどの程度なのか分かりませんが、少なくとも、ここ5年以内に自分で作ったアンテナではそう言い切れます。

 

 

左の画像は自作5エレのものですが、垂直面放射パターンがハート型に2つに割れ、メインローブのすぐ上に乗るように前方50度方向への大きなセカンドローブがあります。2つ面積比を考えると、アンテナに入力されたパワーの約半分がこの方向に放射されることになります。受信時には、この方向から入ってくる目的外の信号やノイズを拾いやすくなります。

 一方、上の6エレにはこのような大きなサイドローブがなく、メインローブだけが前方低角にしっかり伸びています。

打上角はどちらも15.4度ですが、地上高は6エレのほうが0.5m低い設定になっています。

 実際の使用感としても、サブローブ(サイドローブ)をできるだけ抑えてメインローブを太らせた6エレのようにしたほうが効果的です。この方針で作ったアンテナは、今のところ期待を裏切っていません。

 

 

Antenna Review (アンテナの評価)

〜これまでに使った or 作ったアンテナの感想 〜

  ■ 2el HB9CV  (7MHzフルサイズ/ZLスペシャルフルサイズ)

  ■ 3el YAGIの実際  (714X for 7MHz)

  ■ 4el YAGIの実際  (14MHz自作/18MHz自作/CL20/214A/318B/CY154/CY104/714X/SteppIR)

  ■ 5el YAGIの実際 (14MHz自作/18MHz自作/21MHz自作/CL15DX/318C)

  ■ 6el YAGIの実際 (14MHz自作/28MHz自作)

  ■ 7el YAGIの実際 (14MHz自作/28MHz自作)

  ■ 10el YAGIの実際 (21MHz自作)

  ■ Rhombic antennaの実際 (ロンビックアンテナ〜製作中) 

  ■ SkyFishの実際 (スカイフィッシュアンテナ〜 製作予定)

  ■ SkyGateの実際 (スカイゲートアンテナ〜 製作予定)

  ■ その他のアンテナ (other antennas, vertical, Delta loop, DP, etc)