1.9MHzのアンテナ  for 160m


わたしは無線歴は40年ほどありますが、160mに本格的に取り組んだのは2021年12月から翌2月までのわずかな期間です。ここでは、素人が160mにQRVしたらこんなことになりました、という視点で書いています。

 

 

 

ハーフスローパー   Sloper


やはり160mで一番困るのが、アンテナの物理的サイズ。200Wという出力制限を考えると、放射効率の面でフルサイズしか選択肢がありません。というわけで、全長39mのハーフスローパーでスタート。給電はテフロン同軸にフェライトビーズを数十個通したバランを介して行いました。エレメントワイヤーは1.6mm?のIV線です。0.6mmくらいのステンレスワイヤーや芯と網線を短絡した5D-2Vでも試しましたが、いずれでも差異なしでした。

 

 

 

タワーとの接続は、トップから2.5m下がった1段目と2段目のつなぎ目。ネット上の情報などを参考にエレメント全長とタワーとの間隔、水平部分の地上高を調節。タワートップにはブーム長18mの14MHz6エレが乗っているのでキャパシティハットとして十分だと判断。おもしろいことに、アンテナを回すと送信受信ともにビームが効いて、八木のフロント方向にブロードな指向性がありました。

 

 

 

最終的に地面から2mの高さでタワーとの間隔が60cm、ここから俯角45度で地上50cmのところまで引き下ろし、地面と平行に展張。

 

 

 

 

 

 

 

 

あーでもない、こーでもない、あーあーそれじゃダメだ的なアドバイスなどいろいろ頂きましたが(笑)、実際のQSO実績から判断してこのセッティングがベストでした。CQWW160mにも参加しましたが、北半球では横並びにほぼ同じ緯度の地域としかQSOできていないのが面白いところです。

 

その後の改善として、タワーのすべての接続部分(ジョイナー)を研磨したり、給電点からタワーのレールに沿ってステンレスワイヤーを沿わせてすべてのタワーユニットをDC的に接続強化、タワー基部に長さ20mのグランドワイヤーを数本展張しましたが、体感できる変化はありません。そもそも、コンクリートレスタワーであるため接地抵抗が低いせいかも知れませんが、確信はありません。

 

 

 

 

 

 

 

意外にQSOできる!

 

何の期待もないまま、慎ましくワッチ開始。笑

 

22時を過ぎ、モールスみたいなノイズ?が聞こえたのでスイープ停止。今までに聞いたことがない長〜い周期の独特のQSB。やがて信号が浮き始め、W局のCQだと確認。

 

何の期待もないまま(再)、1コール。

「QRZ?」が返ってくる。 おっ!?

 

今度は2回コール。

「JP1???」のリターン。 えっ!?

 

フルコール2回、サフィックス3回送出。

「JP1DJV  GE 559 559 55N BK」のリターン

 

こちらからは579を3回送出。

先方がレポートをコンファームして160mの初QSOが成立。

 

結局、12月から2月までの間に数十局とQSO、CQWW160mでもNA, AS, OC, EUとQSOできました。スローパーと200Wでもそれなりに飛ぶことが分かりました。ただし、日本から西への飛びは常にパワー不足を感じます。

 

 

 

 

 

 

ビバレージ #1

Beverage


かなり前から「ビバレージは凄い」と聞いていたので、一度は試してみたかったアンテナです。事前に使用可能な場所を調査すると、030〜100度の方向に雑木林や休耕地などがあり、最大で500mほどの距離が得られることがわかりました。地主さんを探し出して熱く相談すると(笑)、期間限定ということもあり使用を快諾していただきました。

 

 

まずは長さ200mのIV線を060方向に展張。管理を預かっている畑を横断し、雑木林に密生した篠竹を切り倒して経路を確保、その先の休耕田は切り倒した篠竹を使ってエレメントを2mHの位置に保持。

 

 

 

 

とりあえず終端部に1kΩの可変抵抗器をハンダ付け、長さ50cmのアース銅棒3本を1.5m間隔でドロドロの湿地に差し込みました。

 

 

 

 

 

 

終端側の休耕田には近くの湧水?から冬でも水が入り、完全な湿地になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

600Ω:50Ωのバランの格安キットを通販で購入。メガネコアにエナメル線を2本巻くという単純構造。性能を定量的に測ることはできませんが、実際の受信状態は良好でした。

 

 

 

 

こちらは給電側。隣りは、1000m 巻のφ1.0のアルミ線リール。すでに2本目に向けてスタンバイ中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

給電側のアース は重要らしいですが、銅パイプを長さ1mに切ってハンダ付けしてトライしてみることに。φ3くらいの線を1.5mの間隔で接続。

 

 

 

 

 

 

ダブルスコップ(通称アヒル)で深さ1.5mほどの穴を掘り、ローム層に到達。塩害の恐れがないので、1穴につき食塩を300gほど投入しながら埋戻し、十分に散水。これを4本。

 

 

 

 

 

 

 

驚愕の結果に

午後の時間帯、FT-1000Dの受信用アンテナ端子にビバレージをつなぎ、スローパーから切替えると・・・スローパーでS3のノイズがビバレージではS0。受信感度が30dB以上落ちてる感じで聞こます、というか何も聞こえません。これ、絶対に断線or短絡でしょ。という不安に駆られ、リグの背面から終端部まで300m近く点検。異常が見つけられないまま日没サスペンデッド、やむを得ずシャックにリターン。DXにはまだ早そうだったので、地元の栃木放送で受信確認・・・驚愕!

 

あわてて北海道のAM放送を選局・・・驚愕っ!

 

何だ、これっ!?

 

東京湾の船舶向け放送は、スローパーではノイズレベルですがビバレージでは針の振れが小さくなるものの了解度は垂直上昇!

 

物凄ぇーな、ビバ!!!!! 感動。

 

 

 

そして待ちに待った夜のDXタイム。

 

VKやZLはスローパーのほうが聞こえますが、スローパーでは全く聞こえないVEやWが超明瞭に聞こえます!!!!!!

 

そして再び、

 

物凄ぇーな、ビバ!!!!! 感動。

 

こうして、待望の初夜は更けていったのです。笑

 

 

 

 

 

ビバレージ #2

Beverage

以下、編集中

ビバレージNo.2  305m

 

ビバレージNo.2  架線経路

 

ビバレージNo.2  架線作業

 

ビバレージNo.2  終端部

 

ビバレージNo.2  終端部 池